2012年5月28日月曜日

ビジネスモデル・ジェネレーション (勉強会)


5/27、HCDセミナー翌日に浅野先生のご厚意でビジネスモデル・ジェネレーションの勉強会を開くことが出来ました。

今回は主催(と言っても有志の勉強会なのでほとんど何もしてませんが。。。)させていただいて、やはり身につけるなら自分で動くに限る、というのを思い知りました。
機会を無駄にしたくないという意識がかなり強まるので、事前の予習に身が入ります。僕の場合は本を二度ほど読んだ後、自分の勤めている会社の分析をひとりでやってみました。このひとりでやった分析が、「あ、ここわんかんないな。」とか「ここにこういう要素を加えると、こっちまで影響が出るよね」みたいな、ビジネスモデル・キャンバスを使う感覚がつかめて、すごく役に立ちました。

このビジネスモデル・キャンバスというものはすごく面白くて、ある企業(個人でもなんでも)の既存のビジネスの分析にも使えますし、その後の展開を検討するときにも使えます。どうして使えるか。それは「可視化」が非常に容易にでき、しかもその共通言語化がすごく簡単にできる事です。

このキャンバスを使うと、おそらく経営者から若手社員まで、同じ土俵で今後のビジネスについて議論することが出来るのではないでしょうか。実際今回の勉強会でも、活発な議論がなされたと思います。

ここでも役に立ったのが、「模造紙」と「ポストイット」と「プロッキー」。この3つがあれば、ブレストは簡単に活発なものにできる気がします(ある程度の経験は必要かもしれませんが)。浅野先生もおっしゃってましたが、ビジネスモデルの話は、机に座って手元のメモや資料を見ながら話すと、まとまりにくいですね。それを可視化すること、しかもポストイットを使って自由に貼ったりはがしたりできることが、ものすごく色々なことを気づかせてくれて、しかも「そろそろ収束させないと」となった時にも、それがかなり簡単にできます。

さて、今回の勉強会は、セミナー形式ではないのでワークショップがメインとなります。ワークショップで何をするかというと、お題の企業を決めて、キャンバスを使って分析し、その後その企業をさらに発展させる、収益が見込めそうなビジネスモデルを考えるというものです。

レッスン1|分析
お題になっていただいた企業は、参加していただいた大和さん、藤田さんが勤めて(?)いらっしゃるグランフェアズさんです。グランフェアズさんは非常にユニークなかたちで事業を行なっていて、今回参加された方の所属する企業の中では、お題に最も適していたのではないでしょうか。

まずは、グランフェアズさんの現在のビジネスモデルを分析していきます。分析方法は、もうこれでもかというくらいに、参加者がグランフェアズさんの事業について根掘り葉掘り聞き出し、それをなるべく細かくポストイットに書きだして、ビジネスモデルキャンバスに貼っていきます。大和さんはグランフェアズさんを経営されていますので、ヒアリングするにはこれ以上ない方でした。

このビジネスモデルキャンバスの構成要素は以下のとおりです。
・顧客セグメント
・価値提案
・顧客との関係
・チャネル
・主な活動
・主なリソース
・主なパートナー
・収益
・コスト
以上9つのブロックに分かれていて、それをどんどん埋めていきます。そうすると面白いくらいにわかりやすい形でビジネスモデルが可視化出来てしまいます。

そして、グランフェアズさんのビジネスについて参加者全員がある程度理解する、という段階まで進めて、一旦食事に出ました。

レッスン2|応用
食事から戻って、第二部です。第二部では、グランフェアズさんのビジネスをさらに発展させるべく参加者でブレストし、可視化していきます。

僕らのチームは、大和さんが近くにいて下さったので、まず「今後の展開として考えていることはありますか?」という質問をしました。すると「○○にサービスを提供したい」という答えを返して頂けましたので、そこを軸に進めて行きました。この、顧客から考えるということが非常に大切な様で、やはり顧客から出発しないと技術的シーズ主導になってしまう可能性が高いように思います。もちろんニーズばかりではダメですが。

さて、この顧客に対してこのようなサービスを提供することを検討している、という情報までいただけたので、それをどうやったら収益化できるのかということを考えていきます。サービスを提供するために必要なリソースはどうなのか、その中でパートナーに任せるべき部分はどこなのか。またかかってくるコストはどうなのか。そしてそのサービスをどうやって顧客に届け、どんな関係を築いていくのか。そのサービスを提供するための、企業としての主要な活動は何なのか。それによって得られる収益とかかるコストはどんなものがあるのか。

これらを可視化できる事で、全員での議論がすごく活発になります。また、「キャンバスにポスト・イットを貼る」という行為は、自分の持っている意見を誰のものでもない意見に変えていしまいます。これによって「発言力の強い人(経営者等)」の意見でもフラットに扱うことが出来るようになります。

こうして参加者全員の意見を吸い上げつつ、集約させていき、なんとか面白いビジネスモデルを作ることが出来ました。もちろんたかだか数時間で考えたものなので、実際にそれで事業になるかというと難しいところではありますが、確かにひとつの「ネタ」にはなるのではないでしょうか。

そして、この応用編ワークショップで僕が一番大切だと思っていたのは、その事業をグランフェアズさんが行う意味を見出すということです。それは、現在持っているビジネスモデルを新しいビジネスにどう利用するか、ということです。そこがなければ、本に出てくる「アンバンドルビジネスモデル」化したほうがいいと思っていました。

また、もう一つのチームでは新しいビジネスモデルではなく、既存のビジネスモデルをさらに強化する方針で議論を進めたようで、プレゼンしてもらった内容にも「あ、これなら可能性あるよね」というものが出来てきていました。

まとめ
今回の勉強会は、僕的には非常に得るものが多かったです。それはまずキャンバスの使い方をある程度習得できたこと。そして、事業のことを真剣に考えている仲間を確認できたこと。さらに、2日続けてブレストを含むワークショップを行ったことで、ブレストの技術が少しでも上がっていると実感できたこと。加えて、新事業を考えるときには、ゼロから始めるのか、今持っているリソースを活かすのかを検討する必要があるということです。

ビジネスモデル・キャンバスは「コレさえ使えばバッチリだね」というようなものではない(数字の要素が皆無)ですが、議論のベースにすることができる、本当に面白いものでした。今後も機会があればいろんなビジネスモデルを分析し、さらにそのビジネスモデルを発展させることを検討する、という練習をして、自分の中のビジネスモデル・パターンを増やしていきたいです。それを、自社(僕個人)のビジネスモデルに応用し、収益化できるようなビジネスマンになりたいと思います。

最後に、朝からお付き合い頂き、スライドまで準備して下さった浅野先生、ありがとうございました。このお礼はどう表して良いかわからないほど、感謝しています。本当にありがとうございました。

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